NHK ドキュメント にっぽんの現場『わしらの給料どうなるんか 〜広島路面電車 運転士の本音〜』

という番組をビデオに録っていたので見た。番組のサブタイトルは「正社員と契約社員の給与を一本化したい広島電鉄。組合側と経営側の模索を伝える」。広電には何回か乗ったことがあるので、ふと気になって録画したのだ。

  • 正社員53歳、基本給 320,000円
  • 契約社員46歳、月給 196,000円

ということだった。ボーナスまではわからないが、やってる仕事はまったく同じなのに給与にかなりの差がある。ひどい職場だ。しかしこのような会社は日本中にある。まだこれを是正しようと経営側と組合側が動き出しただけでもマシだろう。しかしこの広電も、是正に動き出して3年経つようだが、経営側と組合側で話がまとまらずなにも変わっていない。

広電は乗客の数が伸び悩み、今から8年前に人件費を削減するために正社員の新規採用をやめた。そのかわり契約社員を導入した。現在1300人いる社員のうち8割が正社員で、残り2割が契約社員である。正社員と契約社員で仕事内容は変わらない。

同じ仕事をやっているのに待遇が違いすぎるということで、労使が話し合うことになった。

経営側の提案は、定昇を50歳で打ち切り。基本給は最高額30万まで。それ以上はあがらない。最初に紹介した53歳の正社員の場合、年収で約30万円の減給だった。

組合側の提案は定年までの定昇維持。しかし以前よりは伸びを緩やかにすることで、中高年の給料は減る。しかし具体的に何円減るのか放送では数値は示されなかった。

しかし経営側と組合側の話は全然まとまらない。経営側「なんなら今の制度(正社員と契約社員の差別的制度)を変えなくってもいいんですよ」。経営側としては別に無理して契約社員の待遇をあげなくっても構わないってことか。

組合側もどれだけ給与差別に本気で取り組んでいるのかやや疑問に思った。組合幹部は中高年で、給与差別解消に取り組めばいずれにせよ自分たちの給料は下がる。あまり本気ではやりたくなさそうに思えた。

広電で中高年の正社員の給料を減額する代わりに、契約社員を全員正社員として雇用できれば(給与格差がなくなれば)画期的だが、どうも実現しないのではと番組を見ていて思った。