元厚生事務次官連続テロ事件と秋葉原連続殺傷事件

今年6月8日に起こった秋葉原連続殺傷事件では、加藤智大容疑者が秋葉原歩行者天国にトラックで突入。5人をはね、3人が死亡。その後ダガーナイフで12人を刺し、4人が死亡。合計7人も殺害した。

社会への憎悪が、なんの関係もない通行人に向けられた。

7月22日、八王子にて通り魔事件発生。書店店員が殺害された。これも社会へ怨念を募らせ、無差別殺人に走ったケースだった。

これらの事件ではともに罪もない一般人を殺害したことへ非難が集まった。秋葉原の事件では、派遣社員という自らの待遇を不満に思うなら、派遣先の関東自動車や派遣元の日研総業、あるいは経団連本部に突撃すべきだという意見が散見された。要は見ず知らずの一般人を殺すなという意見である。

社会全体に憎悪を募らせている人間は山ほどいる。これらの報道を見てどう思っただろうか。自分はもっとすごい事件を引き起こしてやろうと、沸々と憎悪をたぎらせている人間が。

そういう犯罪予備軍が次に考えるのはこうだ。見ず知らずの人間を殺すのが悪いなら、悪人を殺してやろう。それは自分をこんな状況に追い込んだ、政治家や財界首脳、官僚(天下りした元官僚含む)だ。

今回の元厚生事務次官が狙われた事件は、私は秋葉原事件の延長としか思えない。結局、社会への憎悪だ。次に犯人が狙うのは誰だろう。政治家か。しかし政治家の身辺はそれなりにガードされている。となると財界首脳やマスコミ著名人(みのもんた氏や古舘伊知郎氏)じゃないか。犯罪のトレンドが変化した。無差別殺人が特定層を狙う事件へと変化してきている。