発言責任は書いた本人にとらせろ

書き込みを保存するサーバー自体はアメリカ合衆国にあり、従来、2ちゃんねるガイドに添えられていた「書き込み削除の最終責任は管理人ひろゆきにあります。 」という表現自体も削除されていることから、訴訟などの諸問題を解決するための“仮想法人”への“仮想譲渡”である可能性が濃厚だ。ただ、今回の“外国への譲渡”が、書き込みをめぐる名誉棄損訴訟や法務省警察庁など“ネットを取り締まる”官庁にも相当の影響を与えると思われる。

2ちゃんねるシンガポールの企業に譲渡された。とはいえ、ほとんどペーパーカンパニーみたいなものだろう。

譲渡の目的は記事にもあるとおり、訴訟対策の1点のみだと思われる。日本の司法は変な判決を書くところで、掲示板の中に名誉毀損の発言がある場合、書き込みした本人に直接責任をとらせず、書き込みを放置したとして掲示板の管理人に高額の賠償判決が出される。これは私に言わせればとんでもない間違った判決だ。名誉毀損の発言をしたのは書き込んだ人間なのだから、IPアドレスで書き込んだ人間を特定して書き込みをした人物に賠償を負わせるべきだろう。もし、ネットカフェなどからの書き込みで書き込みをした人物が特定できないなら、犯人不詳で公判自体開くべきでない。

私は過去掲示板の管理人をやったことがあるが、第三者の書き込みの内容にまで責任を負わされると、掲示板の管理は非常にしんどい。

まず、企業などから名誉毀損だとクレームがついた場合、その発言が本当に名誉毀損にあたるのかどうか、法律の素人たる管理人には判断が難しい。事なかれ主義で、クレームがついた発言はバンバン削除するという運営方針もあるが、しかしそれでは言論の自由をないがしろにすることになる。それに、ちょっとでも管理人が問題発言だと認識すれば発言が消されるような掲示板は、人が集まらなく発展しない。

発言した本人が名誉毀損の責任をとらなくてすむって、テレビ番組に近いものがあるな。番組の場合は編集権を持つテレビ局が発言の責任を負う。掲示板の場合も、発言を編集・削除できる管理人が責任を負うべきというのが司法の論理なのだろうか。しかし、個人たる掲示板管理人に過剰な責任を負わせれば、日本のネット掲示板を衰退に向かわせるだけだろう。

救急医療において、司法が医師の責任を過剰に問うた結果が、救急の現場から医師がどんどん逃げ出したように、司法が掲示板管理者に責任を負わせれば、掲示板管理者が減るだけの結果になるだろう。