振り込め詐欺の撲滅は簡単だ

全国の被害の2割以上が集中する東京都では、警視庁が午前10時から午後3時、無人店舗を中心に、約1000カ所のATM周辺に機動隊員らを配置し、高齢女性らへの声かけや不審者への職務質問を徹底する。

振り込め詐欺の被害が止まらない。今年1〜7月の統計では、前年比1.5倍、被害総額は193億円にも上る。被害防止のため、警視庁はATMに警察官を張り付かせることまではじめたが、その分、他の捜査やパトロールが手薄になることを忘れてはいけない。はたしてこんな泥縄式の対処方法でよいのだろうか。最近ではATM付近で携帯電話を使えなくしたり、ATMの送金限度額や引き出し限度額を引き下げる傾向にあるが、商売をやっていて100万、200万の現金をやりとりしなければいけない人にとっては困った事態だろう。

そもそも根本的に対策方法を間違っているとしか思えない。だいたい海外ではこんな電話とATMを使った詐欺グループは存在しない。すぐ盗聴されるからだ。結局、盗聴(通信傍受)から逃げるから、いつまでもこの手の犯罪がのさばるのだ。

振り込め詐欺を撲滅する方法は簡単だ。詐欺グループはレンタル携帯や架空名義で登録した携帯、ホームレスなどを使って契約した携帯を悪用して使っている。これらの携帯電話からお年寄りの固定電話(家の電話機)に名簿を使って順番に電話しているのである。

これら犯人の使っている電話番号は簡単に抽出できる。携帯電話から1日10件以上、固定電話に対して発信している電話番号を抜き出せばいいのだ。ドコモでもauでもソフトバンクでも、1日10回以上発信している電話番号など簡単に抜き出せる。それを全部盗聴したらいい(もちろん実際の盗聴を行う場合には、10件以上などの数字を公表すれば詐欺犯は1台の携帯電話で9回までしか発信しなくなるので、この数字は公表はできない)。

もちろん中には営業のサラリーマンの電話番号も該当するだろう。それは盗聴して、ただのサラリーマンだとわかったら盗聴リストから除外すればいい。

こうして詐欺犯の電話番号がわかったら、すぐにその電話回線を使えなくすればいいのだ。と同時に詐欺犯の携帯電話が通信していた最寄りの基地局もマークする。携帯電話を止められた詐欺犯は、すぐさま予備の別の携帯電話を使い始めるだろうが、その携帯電話も同じ基地局と通信する可能性が高いからだ(もちろん他のキャリア(ドコモからauみたいな)を使われると基地局もまったく変わるが)。

こうして詐欺犯の携帯電話をどんどん使用停止にすれば、詐欺は行えなくなる。詐欺犯が固定電話を使うかもしれないって? 固定電話はすぐ足がつくので犯罪には利用できない。それと公衆電話から振り込め詐欺を行うような非効率なマネをする犯罪者もいない。

年間300億にも上る被害。なぜ効果的な対策を打ち出さないんですかね。盗聴というのが政治的に非常にハードルが高いのと、警察のことを世間が信頼していないからでしょうな。こうして振り込め詐欺は、半永久的に続く……。