アンジェラ・アキ@Zepp Nagoyaに行ったきた

11日のZepp Tokyoに引き続き、10月17日(金) にZepp Nagoyaで行われたアンジェラ・アキのファンクラブイベントに行ってきた。東京公演は昼夜と2回まわしだったが、名古屋は平日ということもあり19時開演の1回のみだった。

1回のみの公演だったが、平日ということもあってか1階席はすべて椅子席で(東京は後ろ半分は立見で、立見のお客さんが500人ぐらいいた)、2割ぐらい空席があった。

感想

質問コーナーでは、どうしてアンジーは舞台下手に向かってピアノを弾いているのですか? というのがあった。他のアーティストでは上手に向かって弾いている人が多いらしい。そうなのか。盲点だった。ただ私が行ったアーティストではKANは下手に向かって弾いていた。

アンジーの答えは、低音を弾く左でリズムをとって弾くのでどうしても体の左側に重心が掛かるらしい。その状態では顔を右に向けにくいので、上手に向いて弾くとお客さんの顔を見にくい。だから下手に向いて弾いて、お客さんの顔を演奏中でも見やすいようにしているのだとか。なかなか興味深い答えだった。

「Silent Girl」は当時とても髪の長かったアンジーが鏡の前で髪を解いているときに、ふと悲しい気持ちになり、その時鏡に映ったアンジーの顔は、涙でぼろぼろだった。その顔見るとますます悲しい気分になり泣いてしまった。そんな状態を表した曲。

新曲の「Reflection」は、アンジーの友達がアンジーに語ったあるひと言がきっかけで生まれた曲。人は自分を映す鏡。他人の嫌なところは自分の嫌なところでもある。その言葉を聞いて作った曲。この曲は今までのアンジーとは曲調がガラリと変わっている。ポップだ。はずむような楽しい曲。

同じく新曲の「ダリア」。恋愛にはそれぞれの恋を思い出させるような象徴的な物(アイテム)がある。昔ある人に大恋愛したアンジー。燃えるような恋をして同棲した。当時お金のなかった二人はダイニングテーブルも買うことができなかった。そんなある日、恋人が鉢植えの真っ赤なダリアを買ってきた。殺風景な部屋にダリアを飾ると、その部屋がパッと華やいだ。ダリアの花言葉は「優雅」。でも実はもうひとつ「移り気」という花言葉もある。いろいろあって、その恋人とは別れてしまったアンジー。別れたショックで起きあがることもできなかった。時がアンジーを癒したが、今でもダリアの花を見ると、当時を思い出す。その時の恋を象徴するアイテムがダリア。

「ダリア」は、魂の叫びのような曲。心の咆哮。圧倒される感じだ。これはいい曲。

最後の曲「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」を歌う前に、アンジーからこんな説明があった。今回の「手紙」ではNHK児童合唱団のメンバーがバックで歌ってくれた。テレ朝のミュージックステーションでも歌ってくれるはずだったのだが、合唱団のメンバーの1人「サキちゃん」がMステの収録前に脳梗塞で倒れてしまった。結局サキちゃんはそのまま帰らぬ人になってしまい、アンジーはそのことをこの名古屋公演前に知った。まだ若い娘さんを亡くした両親はどんなにつらいことだろうか。天国に旅立ってしまったサキちゃんに捧げて歌いたいとのことだった。

「手紙」を歌い始めたアンジー。歌声は涙でふるえていた。しかしなんとか持ち直し、見事に歌いきった。その鬼気迫るかのような姿に会場中の観客が思わず椅子から起ちあがり、スタンディングオベーションで迎えた。感動的な光景だった。観客全員の心を揺り動かしたのだろう。そんなすごいパフォーマンスだった。

東京夜とか大阪昼ではこんなこと(スタンディングオベーション)はなかった。やはり「手紙」前のMCとその後のアンジーのパフォーマンスが、観客をそうさせたのだろう。そう考えると、単に歌を巧く歌うだけでは観客全員を感動させるまでにはいかないものなんだなと思った。歌前のMCで次に歌う曲にどれだけ感情移入させるかで、その後の感動の度合いも違ってくるのだろう。ファンクラブイベントを4公演見て、そう思った。歌だけじゃダメだ。MC含めてライブを作り上げるもんなんだと。

イベントは19時5分に始まり21時15分に終了した。その後私は、余韻に浸る間もなく21時30分発の近鉄特急に乗るために早歩きで名古屋駅まで戻り、アーバンライナーに飛び乗った。家に帰ったのは日付をまたいだ0時過ぎだったが、非常に満足できるライブだった。

セットリスト

01.Rain(ギター弾き語り)
02.Final Destination
03.HOME
04.空はいつも泣いている
05.Silent Girl
06.Still Fighting It
07.Kiss From A Rose
08.Reflection(新曲)
09.ダリア(新曲)
10.モラルの葬式
11.ハレルヤ
12.This Love
13.大袈裟に「愛してる」
EN1.サクラ色
EN2.手紙〜拝啓 十五の君へ〜