阿久根の独裁者

BSフジで「独裁者が生まれた町 鹿児島阿久根市混乱の869日」というドキュメンタリー番組をやっていたので見たのだが、竹原市長が暴走していく過程を丹念に描いていてなかなかよかった。
阿久根市は主要産業の漁業が衰退、特急が止まっていたJRも第三セクターに格下げになり、先行きが暗い状態であった。そこに竹原氏が市長に当選。公務員の給料を一覧にして公開するなど、市民の不満を煽る政策をとる。当初は、山間部に住む高齢者のために福祉タクシー補助金を出すなど、地道なこともやっていた。
しかし市議会の定員を16から6に減らそうとしたところから議会と徹底的に対立。議会を解散するが、自身の支持派を4人しか送り込めなかった。
議会では圧倒的少数派なので、市長と議会が対立して、物事がまったく進まない。そのうち、市長は議会への出席を拒否。議会を招集せずに、専決処分ですべてを決めていくようになる。
この違法なやり方に、ほうぼうから独裁者と非難を浴びて、市民によるリコールが成立。昨年の選挙で失職する羽目になった。

元代表制の弊害

日本の地方自治は二元代表制なので、首長と議会が協調しないとうまくやっていけない。市長が自らの政策を推し進めようとすると、議会でも多数派をとらないといけない。
その点、大阪維新の会という地域政党を起ちあげ、議会でも過半数獲得を目指した橋下徹は利口だと思う。大阪市議会は中選挙区制で、ひとつの政党が過半数を事実上取れない選挙制度なので、維新の会が過半数を持ってないが(府議会では過半数を持っている)。
日本では地方議会の権限が強くて、市議や県議にも膨大な給料を払っているのだが、夜に議会を開いて会社員でも議員を兼業できるようにする、地方議員をボランティア化する、地方議会を行政のチェック機能だけにするなど、二元代表制の機能を見直さないと、今後も阿久根市のような深刻な対立が起こるだろう。






















↑男同士キスしているのではありません。市議会で喧嘩してます。