アイドルに過剰な純潔を求める時代

先日、AKB48から森杏奈の脱退、大場美奈島田玲奈NMB48)の謹慎が発表されたが、つらつら思うに、昔はアイドルが男と写真を撮られようが、ここまで処分されることはなかった。
11年前、当時人気絶頂だったモーニング娘。安倍なつみが、映画で共演した押尾学の部屋に連泊するという事件があったが、当時ファンへの謝罪といえば「朝までプレステやってました」と言い訳すれば、それでお仕舞いだった。謹慎などの処分が公になることはもちろんない。ただ内部的な処分だろうか、次のシングルで安倍はセンターポジションから外されて、後列に回された。ただこの1曲のみで、それ以降は安倍と後藤真希の2トップになるのだから、処分といっても軽いものだった。
また、2005年3月、同じくハロプロ松浦亜弥w-inds.橘慶太宅へ通う姿が写真週刊誌に掲載されるが、事務所からは「仲のいい友人のひとり」とコメントあるだけで、特に処分はなにもなかった。
転機が訪れるのは、その1ヶ月後、2005年4月だ。写真週刊誌に小栗旬との2ショット写真を掲載されたモーニング娘。矢口真里は、事務所に即刻脱退を申し出て、脱退してしまう。ここで矢口が変な先例をつくってしまった。
以降ハロプロは、村上愛℃-ute)、藤本美貴モーニング娘。)と相次いで恋愛スキャンダルで脱退者を出すことになる。しかしハロプロはスキャンダル脱退にもう懲りたのか、2008年6月にBerryz工房夏焼雅の路上キス写真がネットに流出しても、夏焼を脱退させることはなかった。
ところかわってAKB48である。AKB48ハロプロの人気失墜を他山の石としたのか、恋愛スキャンダルに異様に厳しい姿勢をとった。2008年8月、菊地彩香菊地あやか)を解雇。2010年6月には選抜総選挙で40位に入ったばかりの石黒貴己も、セレクション落ちという名目で解雇する。原因は二人とも彼氏とのプリクラ写真であった。これら処分が判例となって、以降の運営の方針を縛ることになる。
一度はAKBに入る前のことは不問にすると声明を出した戸賀崎氏だったが、その舌の根も乾かぬうちに、大場美奈島田玲奈に謹慎処分をくだす。島田玲奈にいたっては、吉本がお咎めなしと8月10日付で公式に発表したにもかかわらず、本部のAKBと処分基準を合わせるために、急遽島田に謹慎させた。なんと吉本の無様なことか。NMB48の運営方針を巡っては、本部AKSの意向に逆らえぬと見てとれる。楽曲の権限をAKSが握っているので、NMBは絶対に独り立ちできないのだ。
森杏奈はAKB加入後も恋愛の事実が判明したので、菊地石黒基準でクビになった。しかし表向きは腰痛が酷いので本人から辞退の申し出があったということになっている。恋愛でクビとしなかったのは、本人の名誉のためだろうか。もしかしたら菊地みたいにカムバックしてくるかもしれないし、個人的にもそうなって欲しいと思う。
ハロプロを他山の石としたのか、恋愛が御法度のAKB48。そのAKBがアイドル界の天下を取っているのだから、今後もアイドルに過剰な処女性が求められる時代が続きそうな予感がある。かつてアイドルは、ステージで歌っている姿を客席から眺めるだけの遠い存在だった。握手会など、ハワイツアーに行かなければ無理だった。
ところが今はアイドルが過剰に存在し、週末にはどこかでアイドルの握手会が行われている時代である。疑似恋愛という要素がより重要になって、アイドルと同年代のファンも増えた。その同年代の若い中高生ファンを引き留めるためには、アイドルに男の影など微塵も感じさせてはいけないのかもしれない。
私はアイドルといえど中高生の女の子なら、男とプリクラを撮るぐらいごく普通にあるだろうという考えなのだが、そういうのは時代遅れなんだろな。
↓こんなかわいい子(一番右)を脱退させるなんて、


バカ言ってんじゃないよ!!