次期首相は舛添要一?

麻生内閣の支持率が10%前後と低迷する中、もはや麻生内閣解散総選挙は行えないということに関しては自民党内で共通認識として広まった感がある。麻生総理総裁のもとで総選挙をやれば自民党はボロ負けだろう。どうも最近では勝つことはもはやあきらめて、できるだけ負けを小さくするためには誰を次期首相にすればいいだろうかという「みみっちい」話が蔓延しているようだが。

そんな中で舛添要一氏の名前が急浮上しているらしい。参院のドン・青木幹雄氏がプッシュしているようで。

それまでは小沢一郎氏とパイプを持つ与謝野馨氏や、首相になれば初の女性首相となる小池百合子氏が有力かと思われたが、小池氏だとバラマキ派と上げ潮派の深刻な路線対立があるし、与謝野氏は選挙の顔としては人気がないし、そこで知名度も人気もある舛添氏が急浮上してきたようだ。

しかし私は参議院議員内閣総理大臣を務めることには反対だ。憲法には明確に禁止されてはいないが、これは違憲に近い行為だと思う。憲法67条1項に「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」とある。であるから参議院議員が総理大臣になっても憲法違反ではないのだが、しかし総理大臣には衆議院を解散させる権利がある。衆議院議員内閣総理大臣ならば、衆議院を解散させれば自らも議員として選挙の審判を受けることになるが、参議院議員内閣総理大臣ならば衆議院を解散させても自らはそのまま議員としての地位は保全される。これは権力としてアンバランスになる。制度矛盾だ。

私は憲法67条1項はきちんと改正して、内閣総理大臣衆議院議員に限定すべきだと思う。今までは慣例により内閣総理大臣衆議院議員だけから選ばれてきたが、前回の総裁選での山本一太氏の出馬宣言や、今回の舛添要一氏を擁立する動きなどを見ても、参議院議員が総理大臣を務めるという権力の不均等がいずれ起きるのではないかと危惧している。