昨年の夏は19基も原発動いていたのに

昨年の夏は日本全国で19基の原子力発電所が動いていたが、どうも今年の夏は1基たりとも動かすなと主張する人が多くて困る。なんとも両極端な国民性なことで。鬼畜米英と言っていた人が、ギブミーチョコレー!と叫んでいたのを思いだしますわ(直接見たわけではないけど)。
さらに困ったのが、消費地である大阪の市長が、原発再稼働にいちゃもんをつけていることである。自分のところが停電の危機であるのに、再稼働に反対とは正気の沙汰とは思えない。どうぞ彼の家がある豊中から停電してくださいと言いたくなる。
電力需給がギリギリの状況では、火力発電所の故障で突発的な大停電が起きる可能性がある。大停電が起きれば、自宅で医療機器を使っている人の死亡、信号の故障による死亡事故、工場では商品がダメになり、スーパーでも生鮮食料品がダメになる。とてつもない経済損失である。
余裕を持った電力需給にするのは先進国では当たり前の考えだが、これが後進国・日本では通用しない。日本海側の原発でも巨大津波による全電源喪失が喫緊のリスクとして捉えられ、再稼働が1基たりとも許容されない世論になっている。
私から言わせれば阿呆の極みだが、こういう主張が跋扈しているのを見ると、なるほどこの国が20年間にわたって経済成長できないのも納得できる。物事の判断がとかく情緒的で、様々なリスクを合理的に判断できないのである。
ともあれ、今回の原発再稼働問題はある種のリトマス試験紙だと思っている。再稼働に反対している人たちは、判断力に疑問ありと判定できるので、至極便利なのだ。

今年以降も無理な節電を強いられれば、企業は海外移転の動きをさらに加速していく恐れが高まります。原発を含めた電力供給をどうするのか。日本が何にエネルギー源を求めるのか。早く国民の合意形成が行われないと、なし崩し的に日本経済の衰退に拍車がかかっていくのではないでしょうか。